青森でアップルパイ巡りをしている人の裏側

ゆめうさぎの趣味ブログ。アップルパイと推し活記録の置き場です。

pixivに載せたキャスギル凛小説のサンプル

クリスマス数日前に降ってきたクリスマスをメインとしたネタ。

ちびちゅき!時空でのキャスターギルガメッシュ遠坂凛の18禁小説。

の序章(5万文字超え)の最初の部分です。

pixivで「キャスギル凛」タグで探せばすぐに出てくるかと。

タイトルは「ルガル☆エリシュティ」シュメルかアッカド語です。

 

 

12月2日

 

ここは型月学園初等部の放課後クラブ。ちびっ子達が保護者のお迎えを待っています。

 

「イシュタルおねーさん。さようなら」

「はいさようなら。暖かくして寝なさいよ」

ピンク色のもこもこパーカーを着た女神様が手を振って親子達をお見送りをする。

昼間は賑わっていた教室もすっかり静かになり、残る児童は2人となった。そこに1人の保護者代理が訪れる。

 

「げ。1番五月蝿いギルガメッシュ

「ち(舌打ち)………ティアマトはどうした」

魂レベルの腐れ縁。古代メソポタミア都市国家ウルクの都市神イシュタルと、ウルク初期王朝5代目の王ギルガメッシュ。生前あれこれあった最悪の仲の2人が睨み合う。

 

因みに睨み合いで済むだけでも大分マイルドになったと言える。互いに存在自体消えて欲しいと本気で思っている2人のはずだが、現在の女神イシュタルは今を生きる少女を依代とした擬似サーヴァント。依代のおかげで人格がかなり善性に傾き、外見も王から見て十分好みの範疇に収まるようになった。

それでも仲良く手を組む事にはならないが、会話程度なら成立出来るようになった。

 

「別に。ちょっと忙しいだけよ。安心なさい。私だって暇じゃないの。今日の代役は偶々なんだから」

本来ならば、この学童保育は彼女達の先祖になるメソポタミア原初の女神ティアマトの担当だ。しかし、この日は職員会議の為彼女の指名でイシュタルに任されたのだった。

ふわふわと宙に浮いて過ごす彼女は意外と保育員として適任で、トラブルへの移動対応速度が速く、例え床に落とし穴があったり巻きビシ(玩具)が敷かれていても踏まなくていいので、悪戯っ子への対応も余裕。

彼女の同級生達からは想像出来ない程の仕事ぶりであった。ただし、高額な時給を要求される。

 

「おい凛、ティーネ。王が迎えに来てやったぞ」

ギルガメッシュが残っている女児達に声をかけるが、2人ともこそこそと何かを描いていた。

「こら2人とも時間切れよ。大人しく連れて帰って貰いなさい」

「ギル!」

「王!」

イシュタルも声をかけると、子供達はようやく顔を上げた。

 

「もう来たの?もっとおそいかと思ってた」

「王、申し訳ありません。もう少々お待ちくださいますか?」

2人分繋げた机に上には大きな画用紙とクレヨン。端には金色のカードが数枚。

「何だこれは?」

「ダメーーー!!」

男がカードを1枚手に取る。それには何か書いてあった。

 

[おいしいごはんをつくりたいあおい]

 

あおい→葵は凛の母の名前。どうやら彼女は料理の腕を上げたいらしい。

「………七夕なら半年前に終わったぞ」

「そんなもの冬にさせないわよ!」

イシュタルがカードを取り上げて机に戻す。

 

「っていうか、アンタ聞いてないの?多分アンタ達の宝物庫から出てきたものよ?」

「なんだと!?」

イシュタルの説明によると、このカードは昨日凛の父時臣が巴比倫弍屋の若旦那から貰ったらしい。

「クリスマス聖杯カード」という、子供達の願いが叶うかもしれないカードとの事。かもしれないというのは、願いの内容は自由だが、努力しなければ叶わないから。子供らしく慢心せず努力を惜しむなという、大人気ないシステムが組み込まれている。因みに宝物庫の中にあった聖杯の雫を潰して作ったとか。

 

「一先ず巴比倫弍屋に文句を言えばいい事は分かった。で、凛達は願い事を書いておったのだな」

机の真ん中の上には見本と思われるカードがあった。ちゃっかり時臣も願い事を書いていたようだ。

ギルガメッシュティーネ側に移動し、裏返しにしてあったカードを勝手に取り上げて読む。

 

[一族の土地だっかん]

 

「おいティーネ。もっと子供らしい願いはないのか?」

「申し訳ありません。他に思い浮かぶ願いなどございません」

元の世界のティーネは幼くして、自分たちの土地を奪っていった魔術師から土地を奪還する為に作られた部族の長。契約相手であるギルガメッシュと共に過ごすまでは子供らしい自我も感情も薄かった。

 

のだが型月学園では初等部の児童として召喚。ギルガメッシュ繋がりで仲良くなった凛と仲良くなり同居し子供らしく過ごすようになったものの、まだまだ元の世界での思考が抜けないようだ。

 

「代わりに王の願いも書いてみたのですが、イシュタル様に止められまして…」

「なんだと!?見せてみよ!」

「いや、見ない方がいいと思うわよ?」

ギルガメッシュティーネがおずおずと出してきたカードを取り上げる。

 

[王にお友達ができますように]

 

(イシュタルはリアクションに困っている)

「なんとぉ!!」←ギルガメッシュはコメントに困っている

そこに凛が解説を入れた。

「ギルのお友だちってドゥちゃん(エルキドゥ)しかいないでしょ?でもドゥちゃんにはギル以外にもいっぱいお友だちができたから、ドゥちゃんがギルのこと心配していたの。だからじゃない?」

凛の横ではティーネが静かに頷いている。

 

「私はこの学校に来てお友達は素晴らしいものだと学びました。だから王にもお友達が増えたら良いと願ったのです」

「でも本人が望んで友は1人でいいって言ってるんだからやめた方がいいって下げさせたのよ」

素直に自分が良いと思ったものをすすめたいという子供達の考えと、女神として俯瞰したイシュタルの意見はどちらも間違ってはいない。

ギルガメッシュ本人はというと気持ちは嬉しいがやはり望まない内容だと思った。

 

「それでねー」

「?」

凛はティーネと見つめあってタイミングを合わせる。

「じゃ〜ん!」

「僭越ながら2人で王を描かせて頂きました」

2人は先程まで隠していた画用紙をひっくり返して彼に見せる。

 

「おぉ!これは我か?」

「うん」「はい」

「どちらかと言えばアイツはサンタクロースじゃない?って言ったのよ」

2人の合作は真っ赤なサンタクロースの服を着た金髪男ギルガメッシュの似顔絵。その横に笑顔の自分達も描いてあるハートフルな絵だった。

 

「愛い!愛いぞ2人共!クリスマスまで待たずとも我が直々に褒美をやろう!」

「わ〜い」

「ありがたきお言葉です」

ギルガメッシュは2人を抱きしめて大喜び。そして彼女らの頭を撫でながら凛の机の上にあるカードの山に視線が動く。

 

「凛。ソレは全部お前が書いたカードか?」

「うん!」

カードは最初に読んだのを含めて最低5枚はある。

「………お前は欲張り過ぎである。少しはティーネに分けてやれ。お前達は極端過ぎる」

「違うのです、王」

ティーネは凛を庇う。

 

「彼女は子供じゃなきゃお願いできないからと、大人になってお願い出来なくなった家族の分まで書いているのです」

はじめに見た葵の願い事も凛が母を観察して思いついたものだった。

「左様か。お前は優しいヤツだな。だがお前自身の願いは何だったのだ?」

「クリスマスはお父さまといっしょがいいってかいたの」

特に最近はテスト作りのせいで帰りが遅い父を心配しているらしい。

 

「よしよし。その日は必ず早く帰らせるからな!」←感動して涙ぐんでいる

(何でもいいけどサンタクロースへのお願いって基本は物品じゃないかしら?)

イシュタルは微妙な表情をしながら、手作り感溢れる金ピカなポストを持ってくる。

「じゃあギルガメッシュの以外はこれに入れてってね」

「お願いします」

ティーネは結局願い事を変えずに投函した。ついでにと時臣の分まで入れる。←いいのか?

 

「じゃあ凛ちゃんのと、サトウさんのと…」

この小さい凛が言う「凛ちゃん」とは高等部に通う未来の自分のこと。サトウさんは住み込みのお手伝いさん。

「イシュタルちゃんの分もかいて入れたよ!」

凛は全てのカードを投函し満足気だ。対するイシュタルは胸の内で心配になる。

 

「あらありがとー。因みに何て書いたの?」

「んーとねぇ」

凛は自信満々に踏ん反り返った。

「お兄ちゃんが来ますように!」

「絶対にイヤ〜〜〜〜!!」

 

 

『これは、とある時空の冬のお話』

 

トラブル巻き込まれ体質な脳筋…いえ、いつも通り筋トレ大好きヒロインがギルガメッシュに振り回されるお話なんですけど、ちびちゅき!世界が舞台なのでギルガメッシュだけで何人いるんですか??ってくらいいますね。サムレムの若旦那も参戦したドタバタ系です。

生憎すけべシーンだけしょうもない内容なのですが、気になる方は検索してね。